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2012/05/31 仏団体が東北を記録 23日に神戸で上映会 (神戸新聞)

 フランスの非営利団体「ASSOCIATION GANBALO(アソシエーション ガンバロー)」が制作したドキュメンタリー映画「東北 再興の記録3・11」が23日、神戸市中央区のHAT神戸にある兵庫県立美術館で上映される。上映後には、東日本大震災の被災地で活動した神戸のボランティア団体代表ら5人によるシンポジウムがある。

 NPO法人「しみん基金・KOBE」(黒田裕子理事長)の主催。パリ在住の富樫一紀さんが発起人のアソシエーション・ガンバローは昨年9月、震災発生から半年の宮城県気仙沼市に入り、合同慰霊祭やボランティアダイバー、漁師を取材した。

 34分の本編では、インタビューや仕事の様子を通じ、取り戻しきれない日常を描いている。さらに24分の続編では作曲家の大島ミチルさんが、震災で2014年3月の廃校が決まった気仙沼女子高校の吹奏楽部を訪問する様子などを収めている。これまで海外や東京で上映され、高い評価を得た。西日本での上映は初という。

 シンポジウムには同基金常務理事で、まちづくりに詳しい野崎隆一さん、NPO法人「よろず相談室」理事長の牧秀一さん、宮城県石巻市でボランティア活動を行ったチーム神戸代表の金田真須美さんら5人が参加。東北支援の活動を報告する。

 気仙沼市を舞台にした短編アニメで、ハワイオーシャンフィルムフェスティバルでベストアニメーション賞を受けた「気球に乗ったオーケストラ」(15分)の上映もある。

 正午‐午後4時。参加費千円。先着250人で、申し込みが必要。同基金TEL078・230・9774

(上田勇紀) 神戸新聞 2012/05/31


※旧ブログより転載(2014/04/29)

2012/01/19 阪神大震災での震災障害者の現状

阪神淡路大震災で障害を負った人の調査は、始まるまでに15年の月日がかかりました。しかし今も全容が明らかになっていないのが事実です。よろず相談室では、毎月、震災で障害を負った人とその家族が交流する「集い」の場を設けていますが、そこに集まる人はほんのわずか。多くの震災障害者が今も、孤立していると思われます。


≪「阪神」の伝言:大震災17年/5 震災障害者 窓口なく、募る孤独感≫

震災で脊髄を損傷し、手足が不自由になった野田正吉さん(右)。食事も妻の千代さんの介助が必要だ=兵庫県西宮市で、望月亮一撮影

 妻がスプーンですくったスープを、顔を近づけてゆっくりすする。野田正吉さん(64)=兵庫県西宮市=は千代さん(57)の介助なしでは食事ができない。

 「ドーン」。自宅アパートにトラックが突っ込んだと思ったほどの音で目覚めた。揺れが来た。隣に寝ていた当時13歳の長女和美さんに覆いかぶさる。家具が次々と背中に倒れる。洋服だんすで窓を割り、脱出した。

 「社長、まっすぐ歩けてないですよ」。経営する警備会社の社員に震災直後、声を掛けられた。1カ月後、歩行中に体がくるっと一回転した。

 脊髄(せきずい)を損傷し、首の骨がずれていた。「手術は無理」。医師が告げた。首から下の神経が徐々にまひしていく。湯船に入ろうとすると、手足の力が抜けて顔から落ち、何度もおぼれかけた。

 95年、震災の後遺症のことを相談するため市役所に電話をすると、窓口すらなかった。「震災障害者」の認識は、まだ行政になかった。兵庫県などの実態調査着手は震災15年後だ。

 翌年、出勤も不可能になり、会社を弟に譲る。しかし災害による障害への唯一の支援となる災害障害見舞金は両腕切断など要件が厳しく対象外。「こんな手なら切断してくれ」。医師に当たった。

 東日本大震災では岩手、宮城、福島、千葉4県で少なくとも42人が震災を理由に障害者手帳の交付を受けたことが毎日新聞の調べで分かった。

 震災障害者らが集うNPO法人「よろず相談室」(神戸市)副理事長で右足に後遺症が残る岡田一男さん(71)は「震災10カ月後は重傷者が退院する頃。孤立感を深めないためにも支援が必要で、実態把握が急務」と訴える。

 野田さんの折れかけた心を救ったのは新たな命。あの日、凶器と化した家具から背中でかばった和美さんが、00年に初孫美愛(みいあ)ちゃんを産んだ。幸せは、生きているからこそ感じることができる。そう実感した。

 17年を振り返り、東北に思いをはせる。「障害を相談する場もなく、見放されたようで孤独だった。東北では同じ思いをする人がいなくなるよう、仕組みを考えてほしい」【村上正】=つづく
 ◇震災障害者
兵庫県と神戸市の調査で、阪神大震災で心身に後遺症を負った人は少なくとも349人。重傷者1万683人に対して災害障害見舞金の支給は64人に限られ、要件緩和が課題だ。東日本大震災での支給も6人(昨年12月現在)にとどまる。

毎日新聞 2012年1月19日 大阪朝刊


※旧ブログより転載(2014/04/29)

2012/01/09 東日本大震災で障害を負った人は、少なくとも42人

東日本大震災での震災障害者の記事です。少なくとも42人いる、ということが分かっただけでそのほかの実態は不明です。阪神淡路大震災のときは、震災で負った怪我がもとで後遺症が残った人が大勢いましたが、長い間実態調査が行われず、今も正確な人数がわかりません。行政の早急な実態調査が望まれます。

東日本大震災でケガをされた方へのメッセージ

≪東日本大震災:宮城など4県、震災障害42人 見舞金6人 毎日新聞調査≫

東日本大震災で被災し身体に後遺症が残った「震災障害者」が少なくとも宮城、岩手、福島、千葉の4県の42人に上ることが、毎日新聞の調べで分かった。一方、自然災害による障害者を対象とする「災害障害見舞金」の支給は、要件が厳しいため6人にとどまっている。95年の阪神大震災では住居や仕事を一度に失う過酷なケースが多かったが、発生から約15年間も実態が把握されずに支援の手が届かなかった経緯があり、早期の調査や対応が求められそうだ。【村上正】

震災による重傷者が出た14都県に、障害者手帳申請時に提出された診断書を基に集計を求めた。障害の等級は、両腕か両足を失う程度の1級が最も多く18人で、片腕を失う程度の2級は4人、片足を失う程度の3級は9人だった。重傷者は13都県で598人(1月6日現在)で、岩手県は重軽傷者の内訳を把握していない。症状が固定せずに治療を続けていたり、申請書類からは判断が難しいケースもあり、実数はさらに多いとみられる。

県別で最も多い宮城県の30人のうち、少なくとも9人は津波が原因だった。ある男性は津波にのまれて頭を打ち、視覚障害を負った。呼吸器や心臓などの内部障害が16人を占め、震災のショックで心不全となり意識が戻らない女子中学生もいる。岩手県では手や足を切断した人が5人いた。福島県では、男性が津波で流されてきたトラックに衝突され、左足に後遺症が残った。千葉県では停電の夜間に高齢女性が転倒、両手足がまひしている。

震災障害者について阪神大震災では神戸市が発生15年を前に初めて集計。兵庫県の調査も含め349人が判明した。他の自然災害も含めた「災害障害者」は毎日新聞の調査で384人。支援に取り組んできたNPO「よろず相談室」(神戸市)の牧秀一理事長(61)は「生活の基盤である住まいや仕事を同時に失いながら、十分な支援が得られず孤立していた。行政は住居や医療費などの相談にも応じ、『忘れていませんよ』というメッセージを届けてほしい」と訴える。

毎日新聞 2012年1月9日 大阪朝刊


※旧ブログより転載(2014/04/29)